人口が減り高齢化が進む国はどのようになるか
図は日本の人口の推移(未来の人口と高齢化比率)
総務省人口調査、各種の人口予測と高齢化率の推計。
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人口が減り高齢化が進む国はどのようになるか
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人は働いて収入を得てそれでの暮らす。農業、漁業、鉱業、工業、商業、サービス業ほかの働く形式がある。住まいがあって食べ物を得て人の養育に費用を用いてこれが回ること、そして病があればこれを癒し、老後の生活の原資があること、心安らかに暮らすことができること。健康で文化的な国民の暮らしのことである。
暮らしの場となっているのは住まいがあるところ、職場があるところだ。これは地域であり、行政としては地方公共団体が付属する。市町村と都府県が行政の単位となる。収入があって富める市町村、都府県とそうでないところに分かれる。東京都職員として夕張市に派遣され、その後内閣府付けとなり、夕張市行政参与となっていた鈴木直道氏は夕張市長に選ばれ、つづいて北海道知事になった。夕張市でどのような働きをしたのか知らない。
夕張市は破綻から10年、116億円の借金を返済してきたが限界がある。財政再建に配慮し住民からの要望の強い子育て支援サービスの充実、コンパクトシティ化と複合公共施設の整備、市職員の処遇改善などを織り込んだ見直しを、国の了解を得て実施した。夕張市は2007年に財政再建団体に指定された。財政破綻のため国の管理下に置かれた。予算編成に国の同意が要る。新たな予算を計上することも独自の事業も実施できない。「自治」が許されない自治体である。夕張市の財政はいまも火の車だ。税収が8億円しかない夕張市が毎年26億円を返済する。特別な措置をしなければ続かない。
夕張市がすたれたのは国のエネルギー政策の転換による。電力の原子力と石油への転換が夕張市にのしわ寄せされた。人口が一番多かったのは昭和35年で116,908人。昭和40年には10万人を切って91,188人、昭和52年には5万人を切って48,663人、平成4年には二万人を切って19,956人、平成25年には一万人を切って9,968人、平成30年は8,211人、平成31年は7,993人である。農業従事者は平成17年2月1日現在、常用雇い31,883人、臨時雇い20,015人、合計51,898人。農作物はメロンが圧倒的であり、メロンだけといってよい。地元消費の水稲や馬鈴薯ほかが少し生産される。製造業従事者はすべて300人以下の事業所で従事者は689人、給与は227,192円(平成27年工業統計調査)だ。
昭和35年(1960年)に人口116,908人の炭鉱の街だった夕張市は平成31年(2019年)には7,993人となった。往時の人口の6.8%に減っていて、少なくなった街の人々は夕張メロンで食べている。夕張市の高齢化率は平成30年(2018年)に50.66%だ。平成26年(2014年)には46.51%だった。
社会と経済ほかの要因によって人口減少は否めない。明治初年の1868年に3,330万人であった。これは江戸期を通じて大体同じだ。1945年の終戦時は7,199万人であった。2014年12月に12,784万人でさいだいになった。この時の高齢化率は19.6%であった。以下は推察値であるが2030年には人口11,522万人、高齢化率31.8%、2050年人口9,515万人、高齢化率39.6%、2100年人口4,771万人、高齢化率40.6%である。この数値は総務省が発表している「我が国における総人口の長期的推移」による。
日本の国でこの先おこることが夕張市で発生した。エネルギー政策の転換という国策によって夕張市は基幹産業がもがれた。7,993人の人口ということで10%以下の人口の街でとなった夕張市は夕張メロンを栽培する農業の街に変わった。高齢化率は平成30年(2018年)に50.66%である。地方公共団体の運営費の仕組みを変えないと日本では人が住む基盤が失われる。
ナチスに対抗するために英国では婦人が砲弾を製造した。米国も同じだ。日本では学校生徒は工場に動員された。旧制高等学校生徒も同じであった。爆発させなければ機能しない砲弾の製造に駆り出された不幸は単に人生の大事な時間を無為に費やしたにとどまらない。人を殺し都市を焼き尽くすという結果となった。国と国が争い、人と人とが殺し合いをしないことが大事だ。戦争するより怠けていることがよほどましである。住むには足る小さな家で暮らし、欲望といってもさほどのものではなく、お日さまがでたら微笑む。米国の消費への欲望をみていると反面教師で日本の暮らしの在り方がみえる。
日本の輸出比率はGDPの15%程度である。13%という数値を表記する事例もある。円が高くなっても低くなっても日本経済への影響は小さい。輸出比率は台湾は58.8%、韓国は43.9%である。いずれもGDP比。米国はGDPの7割を消費が占める。日本は6割だ。韓国は5割を切る。米国は消費を煽る国である。トランプはそれをしている。米国と日本は違う国である。日本と韓国は違う国なのだ。
2019-08-01-what-will-be-the-country-in-which-the-population-declines-and-the-population-is-
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